ゆるゆる自適

JKとして歩む日々

妖精の高専プロコン参加記

高専の5年生になると「卒業研究」というものをしなければならない。つまり、何らかの誤りで5年生になってしまった私も卒業研究をしなければならないのだ。... ...しかし、人間は怠惰な生き物である。夏休み直前になっても研究に必要な知識や技術をだらだらと吸収し、学内イベントや趣味に没頭していたため卒業研究の進捗は0.1mmという状況に陥っていた。これを人は何と表現するか?簡単だ。 「ヤバい」 である。さすがに鋼のメンタルを持つとされる私でも焦りを感じたため、「おおまかなスケジュールを決めて、夏休みは中間発表に向けて研究をしよう」と腰痛を伴う腰を上げたのだ。

夏休みが1週間か2週間ほど過ぎた某日、とある教授から声がかかった。

「ちょっとお願いがあるんだけど」

そのちょっとはちょっとじゃない、絶対にスケジュールは狂う。
わかっていた、わかっていたが

「いいですよ、どうしたんですか?」

人間は馬鹿な生き物ある。自分の卒業研究より自分がやりたいことを優先するのだ。

9月 卒業研究 < ICT委員会のロゴとグッズ制作

「ちょっとお願いがある」の中身

依頼は主に
- ICT委員会の新ロゴの制作
- 新ロゴのステッカー、ポロシャツの制作
だ。
正直何もちょっとではなかった。高専プロコンにステッカーとポロシャツを持っていきたいと希望があったため、9月中にすべての制作を終える必要があった。つまり、私の卒業研究のスケジュールは完全につぶれ、ICT委員会のロゴ・グッズ制作に塗り替えられたということである。正直絶望的状況だが、「協力したいなあ」と思ってしまった私はこの依頼を承諾し卒業研究を放り投げてロゴの制作に没頭した。

この時点で夏休みは半分終わり、高専プロコンまで1か月を切りそうになっていた。

ロゴ制作が難航する

今回作ったロゴの詳細は別の記事にまとめた。
www.resume.id

というわけで、ここでは心境や状況などを語る。

今回ロゴを制作するにあたって、どうゆうイメージのものがいいかを聞いてみた。

「スマートさとICT部員の頭おかしさを表現したやつ」

と言われた。「馬鹿と天才は紙一重、そう考えると作れるかもしれない」と一瞬だけ希望を持ったが普通に無理だった。そのため、ロゴの制作は難航し、毎日「crazy logo」などといった謎の検索を行い、寝ても覚めてもロゴのことしか考えていないせいでご飯を食べ忘れ、気づいたらダイエットに成功していたなど様々なハイライトを生成していた。

体重が減り、昼夜逆転をしながらもロゴを制作して約1週間、ようやくロゴ(いったん完成)が完成した。つまりタスクのほとんどは完了したも同然である。

この時点で高専プロコンまで1か月を切っていた。

ロゴの色

当初、ロゴは黒をベースとした落ち着いた色だった。しかし、ステッカーにするにあたってひとつ問題が生じる。

「なんか地味」

人生は上手くいかないとはこのことである。
この日から完了したと思われていたロゴ制作というタスクが復活し、ロゴの色を20パターン考えつつ、別案件である高専プロコンのとあるチームのアプリのアイコンの添削やアドバイスをしていた。

この時点で9月20日高専プロコン勢のデスマーチとともに私のデスマーチが始まった。

ステッカーとポロシャツのデータ入稿

ある程度色やロゴの見た目が決まったので、ポロシャツとステッカーを制作するための入稿データの制作が始まった。ステッカーは、若干ロゴの文字を太くするなどの修正をして形を整えるだけで問題なかったのだが、ポロシャツは色を2色に絞らなければならないため色の変更が必要だった。20パターンも配色を考えた直後にまた配色を考えるのは控えめに言って地獄であるが、私はできるホモサピエンスである。後輩と一緒に3パターンほど配色を練った(できるホモサピエンスは後輩のかもしれない)。

すべての入稿データを作り終えたのは9月25日、ちょうどわたしの誕生日であった。

唐突の名刺制作の依頼

「入稿データも作り終えたし人生案外うまくいくなあ」と弁当を食べていたところ、とある教授がポツンと言った。

「そういえばロゴ新しくなったし、高専プロコンで使う名刺のデザインも新しく作らないと」

やはり人生は上手くいかない。突然名刺のデザインを制作するタスクが生まれた。大変、今高専プロコンのプレゼン添削やってるのになあ。

この時点で高専プロコンまで2週間と少しであった。

10月 卒業研究 < 高専プロコン添削部門優勝

終わらない名刺デザインとロゴの修正

名刺デザインが終わらないまま東京に飛んだ。
飛行機内でも名刺、ホテルに戻っても名刺、観光中はナンパと名刺、ずっと名刺のことばかり考えながら1日を過ごし、結局名刺は完成しないまま高専プロコン勢のプレゼン添削などをして就寝。

朝、緊張で目が覚めたので朝風呂でもするかあと思いながら洋服を脱いでいたところ、一通のSlackの通知がみえた。確認すると「ロゴを修正しなければならない、なるはやで(これは要約です)」と連絡が入っていた。この世の終わりである。私はパンツ一丁でパソコンの電源をONにし、illustratorを立ち上げ、爆速でロゴを修正し「修正しました」とSlackで連絡した後、風呂の中で虚無になっていた。

この時点で高専プロコンまで2週間を切っていた。

まだ終わっていない名刺デザイン

10月2日の朝、ようやく名刺デザインが確定した。次はラベル屋さんというソフトで名刺のテンプレートを作るタスクをこなさなければならない。しかし、空港へ行きお土産を買うミッションのほうが優先度が高いため、私は飛行機に乗る5時間前に空港へ降り立ち、無限にお土産を漁った。お土産を買うために死ぬほど歩いたため、おそらく1kgは痩せた。

帰りの飛行機で、無心でパソコンを立ち上げ機内Wi-Fiに接続する。だがしかし、機内Wi-Fiに全くつながらず、ひたすら祈りをささげては隣のカップルが手をつないで就寝している姿をみて癒しを得ながら、いそいそと名刺のテンプレートを作っていた。名刺というものは難しいもので、なかなかうまくレイアウトができず結局飛行機が地上に降り立つまでに名刺のテンプレートは完成しなかった。

高専プロコンまで2週間を切っているということは中間発表もすぐそこだなあ」と気づいたのは、モノレールに揺られる19:30であった。

名刺終わったと思ったらプレゼン添削とポスター添削が到来した

10月3日、卒業研究時間をブッチし名刺のテンプレートを作っていた。使っているソフトの癖が強すぎて制作が難航していて、ずっと「オマエオマエオマエ!!!!!」とキレながら、1px職人*1を行い、ようやく完成したと思えばズレを発見し修正... ...を繰り返し、完成したのは15:00かそのくらいだった。

「ようやくタスクを終えた、私はようやく研究ができる」

そう思った矢先、後輩たちからSlackが届く。

「先輩、ダメです。助けてください」

おっと、これは添削職人*2りしの出番である。
私は疲れ切った脳をフル回転させ、後輩たちのプレゼンのストーリーを添削し始めた。

この時点で高専プロコンまで10日を切っていた。

終わらない添削、増える妖精

毎日後輩たちのプレゼンのストーリーを読んでは添削、パワポをみては添削、ポスターをみては添削... ...とずっと添削をしていたが、「自分ひとりじゃ足らない、今すぐ分身の術を覚えて5人くらいに増やさないと絶対に終わらない」と思い立ち、様々な人間に「添削を手伝ってもらえないか」と協力を依頼し、妖精*3を増やした。妖精を増やしたのは大正解で、これのおかげでわたしはひとつのチームに集中して添削などができた。このとき妖精が協力してくれなかったら今頃私は死んでいた。本当にありがとう。

添削をした結果、どうにかポスターとパンフレットを印刷することができた。しかし、まだプレゼン資料は完全には終わっていない。

この時点で高専プロコンに飛び立つ数日前、割とマジで絶望であった。ついでに私の中間発表の進捗も絶望的であった。

高専プロコン1日目

10月13日、私はそわそわしていた。
高専プロコンが始まったのもそわそわの要因だが、一番そわそわしていたのは「添削おねがいするとおもいます!」と言い残して飛び立った後輩から添削依頼のSlackが飛んでこなかったこと。そわそわしていたところ、11:01に「遅くなりました~」と添削依頼が来た。あなたの発表は14:00からではないのか、そうではないのかと思いながらパワポの1px職人と色職人*4をしつつ、すでに発表中の後輩のプレゼンをみて泣いていた。

添削を終えた。つまりは私のタスクはすべて終わったということだ。
あとはプレゼンが成功することを祈るのみ。ずっと画面をみて、後輩がしゃべる瞬間を待つ。
そして後輩がプレゼンを始めるぞと言わんばかりに口を開いた瞬間、泣いた。

高専プロコン2日目と中間発表の資料完成

10月14日、すべてのタスクを終えた私は競技部門の後輩たちを応援しながら卒業研究の中間発表のための資料を作っていた。ゆうて発表することもないので、今までロゴ制作やブツの添削の合間に作っていたメモ程度のものをもとにそれっぽく書き上げ、自分が所属している研究室の中で一番目に発表用の資料が完成した。何を言っているかわからないと思うが、一番時間がなく作り始めるのも遅かったはずの私が一番最初に発表用の資料を作り上げてしまったのだ。「りしは提出期限ギリギリかなあ」と心配されてたのになあ、どうしてだろうなあと思っていたら授賞式が始まっていて最初らへん見逃した。見逃している間に、うちの学校のチームが特別賞をもらっていたらしい。 見逃した分は仕方がねえと、ディスプレイに高専プロコンの授賞式配信をうつす。そうするとなんてことだ、私が作ったICTロゴが印刷されたポロシャツが舞台に上がっていたのだ! これ以上うれしいことはない。ありがとう。

そう思いながら、ちょっとだけ涙目になった目をこすりながら今後発生するであろう卒業研究のデスマーチのことを考えていた。

おわりに

ずっと後輩の役に立ちたかった。
なぜかというと、(私が忘れてしまっているだけかもしれないが)私が大会に参加していたとき、先輩にアドバイスもらったり添削してもらう機会が少なかったような気がするからだ。だから、私が先輩という立場になったら、自分の身が犠牲になってもいいから困っている後輩を助けたかった。今回はそれができたんじゃないかなあという一方で、シンプルに自分の身を犠牲にしすぎたなあといった気持ちがある。

まあ全然後悔していないし、少しでも力になれていたら幸いだ。

ただ、これだけは、これだけは次につなげてほしいので言わせてくれ。
ICTのロゴを一新するときは、絶対に5年生かつ夏休みに依頼してはダメだ。せめて春休み、春休みにきっちり納期を決めてじっくり考えるべきだ。1週間でロゴ作ったら、間違いに気づけないし精神も死んでしまう。デザイナーはモノでも魔法使いでもない、ホモサピエンスである。それを踏まえて、次からはロゴなどの制作依頼をしような。これはとあるデザイナー(笑)を名乗る妖精からのお願いだ。

あ!最後!最後これだけ!これだけ言わせてくれ!

高専プロコンに参加したICT委員会の皆様へ
改めまして、高専プロコンお疲れさまでした!みなさんの頑張りを間近でみていて、正直大丈夫かと心配していましたが、無事に終えられてよかったと思います。
そして、私を頼ってくれた後輩の皆さん、頼ってくれてありがとう。少しでもあなたたちの頑張れる糧になれていたなら幸いです。

新ロゴを気に入ってくれた皆様へ
一時期「ロゴ制作無給マジ?」とひねくれていた時期もありましたが、みなさんが「新ロゴ好き!」「ぎーくんかわいい!」と言ってくれたおかげで、ひねくれた感情はすべて吹っ飛びました。みなさんが喜んでくれたのが私への給料、ステッカーやポロシャツを愛用してくれているのがボーナスみたいなもんです。今後もぎーくんを愛してあげてください。

長くなってしまったなあ、これで終わり。
おしまい。

*1:1px職人は1pxのズレを発見・修正できる職人のことを指す

*2:プレゼン資料やポスターなどのレイアウトや文章を添削する職人の総称

*3:大会に参加していないが、大会の開発やプレゼン資料制作などを手伝う人間の総称

*4:RGBの10くらいの差を見分け、修正する職人のことを指す