ゆるゆる自適

JKとして歩む日々

ロゴデザインをするN個の魔法

さいころ、夢は魔法使いだった。

魔法使いになったらほうきにまたがって夜空を散歩しよう。
魔法使いになったら相棒は黒猫かハムスターにしよう。
魔法使いになったら宿題は呪文を唱えて終わらせよう。
魔法使いになったら本を片手に鍋で薬を作ろう。
魔法使いになったら、魔法使いになったら... ...。

でもみんな知ってるだろう?私が想像していたようなおとぎ話にいる魔法使いは存在しないんだ。でも小さい頃の私は魔法使いは存在していると信じ、そして自分もなれると信じていた。

デザイナーの魔法

私がデザイナーというのはおこがましいが、今日はそう言わせておくれ
君たちは「魔法使いなんて存在しない」と言ったね?そう、残念ながら魔法使いは存在しないんだ*1。だがしかし、君たちはデザイナーを魔法使いと思っている節はないか?デザイナーはチチンプイプイの勢いでデザインしていると思っていないか?デザインは紙とペンに魔法をかけておけば一晩のうちで出来上がっていると思っていないか?

それはありえないさ、なぜなら魔法使いは存在しない。そうだろう?
じゃあデザイナーはどうやってデザインを生成していたと思う?

簡単だよ、デスマーチだ。
もっと正確に言うとデザイナーの魔法の正体はデスマーチと気合と経験なのさ。

ブツを完成させるまでの魔法

今回はICT委員会のロゴ制作を例に魔法の流れをみてみよう。
あ、完成形のロゴはこちらにまとめているので読んでみてほしい。

www.resume.id

※これはあくまでド素人のやり方なので実際の現場では通用しないと思う。「へぇ、ロゴを作るためにこんなことしてたんだなあ」と思うくらいにとどめておいてほしい。

魔法その1. ICT委員会のイメージをできるだけだす

ロゴは組織やサービスなどの世界観を表す大事なもの。そんな大事なものを適当に作ってしまうと、ICT委員会の世界観なんて表すことができずロゴの意味がなくなってしまう。だから、ロゴを作るにあたって最初にやるのはラフを描くとかではなく 自分の中でICT委員会という組織のイメージを固めること だ。今回はホワイトボードやスケッチブックを使って一気に書き出したのだが、なぜか探せない。たぶん捨てた。

また、今回は依頼主である教授から「頭おかしいけどスマートなロゴ」という注文があったので、それについてもイメージを固めた。辛そう。
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魔法その2. ロゴの雰囲気を探す旅に出る

「イメージだけではロゴなんて作れない。もっと具体的にICT委員会のロゴの雰囲気を落とし込むことが重要だ」と思ったので、様々なロゴや写真を漁りに漁った。今回は「スマート」「頭おかしい」といったキーワードをもとに検索し、自分の中で具体的な雰囲気をつかんだ。本来であれば、検索して収集した情報をムードボート*2としてまとめるべきだったかもしれないがそこまで余裕はなかったのでやめた。

雰囲気を落とし込むときにお世話に使ったサイトはこちら。おすすめ。
www.pinterest.jp

魔法その3. 紙にロゴを描きまくる

雰囲気を落とし込んだら脳内にあるロゴを紙に描き出す。
この時点でキモイやつはボツにすると、半分以上なくなるので悲しくなる。

紙で描いたものはこんな感じ。committeeが明らかに「m」が足りないがたぶん疲れていた。許して。
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魔法その4. illustratorの力を借りてロゴをカタチにする

わたしの相棒は黒猫ではなくillustratorだ。

魔法その3で描いたロゴをスマホで撮ったあと、illustratorにロゴの写真をズラッと配置して線をなぞっていく。これを世間一般的にはなんと言うのだ、トレースか?たぶんトレースだな。トレースをする。このトレースという行為がなかなかつらくて、紙に書き出したときはかわいかったロゴが突然キモくなったりコレジャナイ感が出てきたりする。控えめにってしんどいのだが、推しの曲を聴いて精神を安定させながらどうにかこうにか最後まで描き上げる。この時点で、こんな感じのものが出来上がった。みての通り迷走しきっている。共同で作業できる人がいないうえ、「デザインチョットデキル」系の人間に相談できない環境下に置かれるとこんなにもひどいものが出来上がるのだ。特に燃えている脳みそは一体なにを表しているのかさっぱりわからない。

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この時点でそれっぽいシンボル*3さんが爆誕している。本来ならここでロゴタイプ*4も出すべきなのだが、華麗に誤字っているため*5恥ずかしくて載せられない。許してくれ。

魔法その5. ボツオンパレード

ある程度完成したら、進捗報告かつデザインの共有などを兼ねて依頼者にみせる。今回の依頼者は教授なので、教授と「ここがだめだ」「このシンボルはなんか雰囲気が違う」「これじゃない」とワアワアとパレードのごとく盛り上がる(ゆうて盛り上がっているのは話だけで、気持ちは闇に飲まれるのだが... ...)。この時点で全部ボツになる可能性もあれば、いくつか生き残る可能性がある。今回は幸いなことに、ひとつだけ生き残ったシンボル(のちのぎーくん)さんを残し、これを改善していく形になった。

もしこれで全部ボツだったら魔法その3に戻って紙にロゴを描きなおすし、それでも出なかったら魔法その2やその1まで戻ったりする。そんな感じだ。

魔法その6. MUGEN KAIZEN

ボツオンパレードで見事生き残ったロゴを改善する。

「どうやったら頭おかしそうに見える?」
「えっギークっぽいってなに?」
「頭がいいって頭が悪いってこと?」
「今日もillustratorはかわいいなあ」

とずっと画面に質問しながら作業をするので気が狂うしとてもつらい。ラフで躓かなければここで一番時間食うし。まあこの作業は非常に重要なものですわ、エンジニアの作業に置き換えるとバグ修正とかリファクタリングに近い気がするな。いやごめん罠かもしれん

これの何がつらいってアイデアが出ないこと。自分の中では完璧なロゴなのに「ここちょっと違うから作り直してくれる?」とお願いされるのだ。「え?完璧だよ?完成だよこのロゴ、どこを作り直すのよ」と思いながらどうにかこうにかより良いロゴになりそうなデザインを絞り出してカタチにするのだ。まあもちろん迷走するのだが、その迷走具合をご覧いただこう。

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全読者が思っただろう。

「え?なにこの雑魚」
「てかN番目とM番目見た目変わってなくない?ウケる」

わかる。でも意味があるので説明しよう。
あきらかに雑魚みたいなシンボルは、シンプルに血迷っているがもしかしたら依頼主にみせたら新しい発見があって次につながるかもしれないという希望を込めて作ったもの。見た目に大差ないシンボルは微調整したもので、よくよくみたらわかると思うが目の大きさが若干違ったりする。この微妙な違いによって与える印象が異なるので、あえて少しだけ変化を与えたりするのだ。

こうやってボツを積み重ねて完成に近づいていくのだ。

魔法その7. マジカル不意打ちボツ

基本的に魔法6でほぼ完成になりがちだが、この世界は残酷なもので完成してもなおボツにされることがある。私もその一人だった。

なぜボツになったかというと、色だ。実は完成当初、基本白と黒ベースの落ち着いたロゴだったのだが「色がやっぱ地味ね」という声によりボツになってしまったのだ。ボツとはいえど、ロゴ自体はボツではないので配色を変えるだけでどうにかなるのは不幸中の幸いかもしれない。

ここで血迷った配色を誤字っているロゴとともにお届けする。

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控えめに言って気が狂うと思った。

魔法その8. 微調整して完成

ほぼ完成形まで持っていけたら、依頼主と話し合いながら線の太さなどを1px単位で調整する。 本来ならばここで誤字の確認をすべきだろうが、誰も誤字に気付かなかったためそのまま流れていった。

魔法その9. バリエーションよ増えろ増えろ

ロゴの形ってひとつじゃないんだよな。複数ある。
それってロゴが勝手に空気読んで形を変えてくれてるんじゃないのよ、デザイナーが全部考えてるのよ。知ってたか?

実はICT委員会のロゴもめっちゃバリエーションがある。みてみよう。

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こんなにバリエーション豊富なんだぜ、みんな使ってくれよな。

オプション魔法. グッズ化

ロゴを制作した後、結構な確率でグッズ化すると思う。一応デザイナー(笑)なのでステッカーやポロシャツ、名刺の制作にもかかわった。

正直な話、これめっちゃつらい。例えばステッカーを制作する場合、ステッカー納品用のaiファイルを作って大きさの微調整をめっちゃしないといけないし、印刷用に色を変更しなければならない。ポロシャツも同じだ。つらいしめんどくさいので毎日布団を濡らす日々を送る。

グッズ化するときは余裕をもって依頼しような!デザイナー(笑)からのお願いだ。

最後に

デザイナーがやっていることって、「デザインって魔法かけたら一瞬でできるんじゃないかって思われているのでは」ってなるくらい軽く見られがちじゃないかって思ってこの記事を書いた。みなさんどう思っただろう。「え、意外に簡単そう」って思った人もいるかもしれないし「こんなたくさんの作業をやっていたのか」と驚いた人もいるだろう。まあどっちでもいいさ、とりあえず「様々な魔法という名の作業工程を通してデザインは完成されているから、デザインは魔法使って一瞬でできるものじゃないんだなあ」と思ってくれればいいさ。

余談

私ね、マジで魔法使いになりたかったの。小学生のころ、魔女の本読み漁ったの今でも覚えている。あれから数十年経って、「さすがに魔法使いにはなれないなあ」と思って魔法使いになるは諦めたのだが、いまだに生活のどこかに魔法使いになりたい自分は潜んでる。例えば、好きな色は紫と黒、あと赤黒い色も好き。好きな猫は黒猫で、洋服も気を抜くと魔法使いそうな感じになる。

でも最近の夢はゾンビなんだよなあ。

*1:正確に言うと魔法使いは存在しないは偽であるが、ここでは存在しないということにする

*2:イデアやコンセプト、カラーパレットなどをコラージュしてまとめたものらしい

*3:ロゴはアイコンとかイラストっぽいところがシンボル、マークともいう

*4:文字っぽいところはロゴタイプと呼ぶ

*5:後々これは大炎上することになる事件のもとになる